封じられる時、もうひとつの幻想郷終末の時
 東方時封城 〜 the Alternative Age

バックストーリー

           −0−

幻想郷にも冬が訪れた。まだ雪は山岳の方でしか見られ
ないが空気は冷え切り、木枯らしが舞い、里の人々は冬
支度に向け大忙しだった。この地方は一度雪が降り出す
と春までやまず、外を歩くことすら困難となる。だから
雪の降り出す前に米などの食料を買い込んでおくのが、
幻想郷の常識なのだ。



    東方時封城 〜 the Alternative Age


           −1−

そしてここ博麗神社の主、博麗 霊夢(はくれい れいむ)
も忙しいのは例外ではなかった。だが、冬に向けての準
備がほぼ終え、後は雪を待つばかりとなったある時。

「あいたたた・・・もう一週間連続よ」

そこにはなんか痛がっている霊夢がいた。そう、彼女は
突然腰痛持ちとなってしまった。腰痛だけではない、肩
が重くなったり体がだるくなったりと、なんとも霊夢ら
しくない体調になっていた。里で薬を買って使っても見
たものの気休め程度の効果しかない。

「そう、こういう時は温泉治療に限るわね」

思い込んだら行動は早かった。霊夢はさっさと身支度を
すると秘湯のある山岳地帯へ向け飛び立っていった。



           −2−

「あー・・・、また失敗だぜ」

魔法の森の遥か奥地にひっそりと佇む名も無き館の主、
霧雨 魔理沙(きりさめ まりさ)は新しい符の製作に取り
組んでいた・・・が、どうにもうまく行かない。材料は
全て揃っているし、調合比も間違っていないはず。実は
最後の部分、出来上がった符に魔力を注入するところで
どうしても雑念が混ざって、失敗してしまうのだ。

魔理沙は一旦休憩にして、お湯を沸かしてお茶を入れ、
それを一息に飲みきる。

「やっぱ、お茶の味が変わったな・・・」

彼女の雑念の正体はこれだった。ここ一週間ほどお茶の
味が微妙に変化していたのだ。別に新茶を入れたわけで
もないのにお茶の味が変わるなんて。魔理沙は原因不明
の謎にずっと頭を悩ませていたのだ。

「つーか、いっそのこと全部新茶にしてしまえば気にも
 ならないな」

そう思った魔理沙は、魔力箒に跨り高山茶の生えている
山岳地帯へ飛び立った。



           −3−

茶の味が変わったのも、体が重くなったのも、実は冬の
せいではない。ここ一週間、異常気象で突然空気が淀ん
で重たくなったからだったのだ。そして、この異常気象
はただの自然現象ではなく、とある大魔術のほんの些細
な副作用に過ぎなかった。

そこらの妖怪共は「たまにはこんな異常気象もあるさ」
と割り切っていたようだが、彼女らは本当に何も気付い
ていなかった。

・・・なぜならそれは、遥か昔、幻想郷が隔離される前
の時代に「人間」が作り上げ、誰にも気付かれずに放置
され、残されていた大魔術だったからだ。
		

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